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ピアノの弾き方5 「美しい響きを得るためのペダリング」


どうも、ピアノを弾く人石川武蔵です。

ピアノを弾いていて、ペダルの踏み方に困ったことはありませんか?あるいは、レッスンを受けても、いつもペダルが汚いと言われてしまう、そんな人に送るエントリーです。

いつの間にかだいぶ間が空いてしまっていたピアノの弾き方。ペダリングについて。 なぜペダルを踏むのか ペダルをどのように踏むかというのは、演奏をする上ではかなり大事な部分なのですがあまり言語化されていない分野だと思っています。よく言われるのが、「濁らないように踏め」というルールです。大原則としてはそうなのだけど、では足のどの部分で踏むのか、どのタイミングで踏むのか、どの程度まで踏み込むべきなのか、そのあたりははっきりと答えを持っている人は多くないのではないでしょうか。 そもそも何のためにダンパーペダル(右のペダル)を踏むのでしょう?……色々な答えが返ってきそうですね。

端的に言うと、ペダルは①音を響かせるため②音を繋げるため③倍音を利用するために使います。

①音を響かせる

ピアノの音は非常に短く発音されます。ペダルを使って弦をダンパーから開放することによってそれぞれの音を彩ることが出来ます。他の楽器でいうとヴィブラートのように使うイメージですね。

②音を繋げる

ダンパーを弦から開放すると音が切れないので、離れた音同士繋げることができます。

③倍音を利用する

それぞれの音の倍音を組み合わせることができます。この効果は、ペダルを使わないと得ることが出来ないもので、3つの中でいちばん大事な要素とも言えます。

全ては頭の中の「出したい音を出すため」です。これまでこのブログに何度か書いていると思いますが、演奏をするには明確なイメージが必要です。そして、その響きを実現する為にペダルを使うということが必要になる場合がある、ということなのですよね。

どうやってペダルを踏むのか

とはいえ、最終的なゴールはそこだとしても、まずどのようにペダルを操作するとかということを十分に知る必要があります。まず、どの部分でペダルに触れるべきなのかということを説明します。ずばり、足の親指の付け根にある母指球のあたりです。そして、足首から先だけを動かして踏みます。踏む時に気をつけたいのは、ペダルから離れた位置から踏み始めないということです。足の裏がペダルから離れた状態で始動すると、ペダルに足が触れた時に雑音がします。常に接地しているのが理想的ですね。また、これはペダリングが終わって足を離す際にも気をつけたいことです。足の裏が持ち上がらないように気をつけましょう。

次にタイミングです。レッスンで「ここからペダルを踏んでください」と言われることは皆さんあると思いますが、大体の人が踏めと言われた音を弾くタイミングで踏みます。これは決定的な間違いです。プロの演奏をよく聴いてみましょう。CDを大音量で聴ける環境などで試して頂きたいのですが、例外なく、踏み始める音を弾いてから踏んでいます。このタイミングについては文字だけで表現するのは無理です。良い先生に正しいペダルのタイミングについて丁寧に教わることをオススメします。一番大切なのは耳でよく聴いて濁らないタイミングを探すということですね。

座学の知識も必要

レッスンをしていてよく思うことなのですが、ピアノを弾くためには和音の勉強が不可欠だということです。すなわち、この音は和声音なのか、はたまた非和声音なのか、非和声音にしても倍音が共通

しているから同じ響きに入れてしまえるのか、ダメなのか。このあたりは、一部の天才は適当に踏んでも素敵に出来るのかもしれませんが、大体の人は天才ではないので知識がない限り正確な判断は無理です。

音高・音大受験を考えている人やピアノを弾いて職業にしたい人たち、鍵盤上での練習も大事ですが、和音のことを沢山勉強しましょう。今自分が奏でているのがどんな働きの和音で、どの方向に向かっているのか、どの和音に向かう音なのか、考えなくても分かるくらいまで反復しましょう。

でも結局、ペダルの話はピアノの前でないと出来ない

ここまで色々書いてきて結局何だよいう話になりそうですが、文字で表現できることには限りがあります。きちんとペダルを踏めるようにレッスンをしようとすれば、1回のレッスンで軽く5時間は超えてしまうでしょう。それくらい難しいし繊細な要求をされるものなのです。もちろん毎回そんなに長いレッスンを受けることは不可能ですが、日々の練習やレッスンで少しでも向上するため、耳を育てましょう。音楽に大事なのはまず頭、そして耳です。 このエントリを書こうと思ったのは、実は前回のエントリを公開した直後で、しかしどのように書くかずっと迷っていました。書いてもあまり実践的でない内容になるのは明らかだったので。結局はレッスンで音を聴きながらやることになるし、それなしにペダルを語ることはできません。それでも少しでもペダリングに迷っている方々の役に立つと良いなと思って書きました。

 

ピアノの弾き方 その5「美しい響きを得るためのペダリング」でした。いかがでしょうか?

いつも自分の出している音をよく聴いて練習してくださいね。

ではまた次回のブログでお会いしましょう。

レッスンについては こちら

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