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執筆者の写真musashi ishikawa

何者として生きるかという話


どうも、食事のあとは眠くなるピアニストです。

コーヒーを飲むと多少はマシだけれども眠る時間が短くなるだけですね。流石に出先で寝ることはしないんですけど、夕食を自宅で取るともれなくその後寝てしまいます。そうして夜寝付けないという…

皆さんは今日も練習していますか?している方、偉いですね。明日も続けましょう。

していない方、明日はさらいましょう。音楽をやっていくには1にも2にも練習、自分磨きより練習です。練習は楽しくやろうと書いたけれども、楽しくなくともやらなければやらないことでもある。譜読みが溜まっている時なんかは弾けなくてもどかしくて全然楽しくないのですが、弾かないと弾けるようにはならないのでとにかくやっていく、ということですね。

今回はピアノの弾き方の記事ではないです。

芸術をやっていくということについて、どう考えているのかという話ですね。

ピアノを弾いていると何故か芸術家肌なんじゃあないかと思われるらしくて、それこそ音楽家仲間にさえ僕は芸術家肌の人間だと勘違いされたりするくらいなのですが、どちらかと言うと分析家なのかなという気がしています。感受性が特別に豊かという訳ではないし、音楽や音の響きは自分にとって言語として昔から分かっているもので、それをどのように表すべきかということは感性ではなく事実として知っているいうか。20歳位の頃はこの曲は何だかよく分からないなみたいなことも偶にはあったのですが、それなりに経験を積んで色々な音楽に触れてきて、そういうこともなくなって来ています。アウトプットの問題を解決するために練習の必要はあるけれども、表現で悩むということはないんですね。もちろんいくつか選択肢が存在する場合はバランスを考えますけど、それもウンウン悩むようなことはないです。

決して喧嘩を売りたいわけではないのですが、音楽を専門にやっている人でもそのあたりが自明でない人がどうやら多いみたいで、苦しみながら表現を追求してそれが美しいことであるみたいな雰囲気を出していたりして、なんだか大変だなと思っています。自分にとっては演奏は楽しいことでしかないので(弾けていない時はストレスありますけど)何で苦しんでまでやらなければならないのかなって。演奏家っていうのは常に自分の欠点と向き合う必要がある職業なので、一生報われる瞬間が訪れないのに苦しみ続けるのって辛くないのかなと思ってしまいます。

僕にとってはたまたま得意なことが音楽だったというのと、それが人より大分アドバンテージがあるから職業にしているだけなんですね。漠然と物書きになりたい或いは曲書きになりたいなと子供時代から思っていたけどきっと自分に純文学は書けなかっただろうし、そうでないとするとハリウッドの映画とかゲーム・オブ・スローンズみたいな超大作ドラマとかと勝負しなきゃいけないわけでそれは大層辛いことになっていただろうなという気がしています。出来ることをやるのが大事。自分にとってはピアノを弾くことと教えることはきっと天職なのだろうなと思っています。

音楽の知識がある程度あるせいかどうかは分かりませんが、他の芸術にも一応は理解があるつもりです。でも絵は描けないし、写真も下手だし(僕のInstagramにはいつもひどい写真が並んでいますね。大丈夫です、自分で気づいています。誰か僕に写真を教えてください)、美しい洋服の組み合わせは見たら分かるけど1から自分で選ぶのは苦手です。眼があったとしても知識やスキルが必要な分野ってセンスとかだけではどうにもならないんですよね。いや、自分が凄くセンスフルな人間だと言いたいわけではないんですけど。

芸術に関わっていると、基礎教養みたいなものが沢山あると信じている人も沢山居ます。勿論過去には素晴らしいものが沢山あった。それは事実ですよ。ただそれを知らないからどうにかなるということもないんですよね。鑑賞者側に回るなら古典に触れ続けるのも楽しいかもしれないけれども、自分たちは物事を生み出し続けることそのものが存在意義であって、それをやらないでいて昔のことに詳しくなっても仕方のないことで。ペースが遅くとも作品を発表するなり演奏会をやるなりを止まらずにやり続ける、自己表現をやり続けることしかないのですよね。それが完全に自分の納得する状態でないとしても。

僕は自分の、他者の才能を見抜く目にはそれなりに自負があるのですが、人間は才能があってもそれをやり続けていく馬力というかメンタルがないと持ち腐れになってしまうのだなということを周りの才能ある人間たちを見ていて思ったりしていて、とにかくやっていってくれよ、という気持ちでこの極めて個人的な記事を書いたのでした。

インターネットの海を泳いでいると世に出る前の凄い才能みたいのが結構たくさんいて、勿論凄いスピードで有名になっていく人とかもいるけどそうでない人の方が多くて、でも皆何かを出し続けていっているから活動として認知されているのだなと思ったりします。

ブログをちゃんと書こうと思ったのも、直接会ったことないの人にとって僕という人間が曖昧な存在のままでいるのが良くないかなと思ったからなんですね。演奏家は基本的には装置なのでどんな人がピアノを弾いているかという情報は本当は要らないと思っているのですが、そのポリシーと世の中の目はあまり関係ないのかもしれないなと今は思っています。

ではまた次回のブログでお会いしましょう。

 

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